○岩沼市低入札価格調査実施要綱
平成31年4月1日
告示第58号
(趣旨)
第1条 この要綱は、市が発注する工事請負契約において、地方自治法施行令(昭和22年政令第16号。以下「令」という。)の規定により実施する低入札価格調査に関し、法令等で定めるもののほか、必要な事項を定めるものとする。
(1) 低入札価格調査 令第167条の10第1項(令第167条の13において準用する場合を含む。)又は令第167条の10の2第2項(令第167条の13において準用する場合を含む。)の規定による契約の内容に適合した履行がされないおそれ又は公正な取引の秩序を乱すこととなるおそれの有無について判断するために実施する調査をいう。
(2) 工事発注課 事業の設計、積算、監督等を担当する課をいう。
(3) 調査基準価格 低入札価格調査を実施する基準となる価格をいう。
(4) 失格基準価格 第1号に規定する契約の内容に適合した履行がされないおそれ又は公正な取引の秩序を乱すこととなるおそれがあると判断する基準になる価格をいう。
(5) 最低価格入札者 総合評価競争入札(岩沼市総合評価競争入札実施要綱(平成31年告示第57号。以下「総合評価実施要綱」という。)第1条に規定する総合評価競争入札をいう。以下同じ。)によらない入札における予定価格の制限の範囲内で最低の価格をもって入札した者をいう。
(6) 最高評価値者 総合評価実施要綱第8条第1項前段の規定による総合評価競争入札において落札者となるべき評価値の最も高い者をいう。
(7) 低価格入札者 調査基準価格を下回る価格をもって入札した者をいう(失格基準価格を下回る価格をもって入札した者を除く。)。
(令2告示28・一部改正)
(低入札価格調査の対象事業)
第3条 低入札価格調査の対象事業は、予定価格(予定価格が事後公表の案件については、設計金額とする。)が5000万円以上の工事請負契約とする。
2 市長は、総合評価競争入札においては、前項の規定にかかわらず、低入札価格調査の対象事業とすることができる。
(令2告示28・一部改正)
(調査基準価格及び失格基準価格)
第4条 調査基準価格を設定した事業にあっては失格基準価格を設定するものとし、その算出方法は、年度ごとに岩沼市入札制度検討委員会設置規程(平成10年訓令第11号)に規定する岩沼市入札制度検討委員会で審議の上、市長が定め、公表するものとする。
2 市長は、前項の調査基準価格及び失格基準価格の算出方法を定めるときは、それぞれの算出方法が均衡しないよう努めなければならない。
3 市長は、契約の性質上、失格基準価格を設定することが適当でないと認めるときは、第1項の規定にかかわらず、岩沼市契約業者指名委員会規程(昭和58年訓令第2号。以下「指名委員会規程」という。)に規定する岩沼市契約業者指名委員会又は岩沼市制限付き一般競争入札実施要綱(平成28年告示第46号。以下「制限付き入札実施要綱」という。)に規定する岩沼市入札参加資格制限審査委員会で審議の上、失格基準価格を設定しないことができる。
(令2告示28・一部改正)
(予定価格調書への調査基準価格等の記載)
第5条 市長は、低入札価格調査の対象事業については、予定価格を記載した予定価格調書に、調査基準価格、失格基準価格等の低入札価格調査の基準となる具体的な金額を記載するものとする。
(入札者への周知)
第6条 市長は、低入札価格調査の円滑な運用を図るため、低入札価格調査の対象事業である入札に係る公告又は通知に、次に掲げる事項を記載しなければならない。
(1) 調査基準価格が設定されていること。
(2) 失格基準価格の設定の有無
(3) 失格基準価格を下回る価格をもって入札した者は失格となること(失格基準価格を設定した場合に限る。)。
(4) 最高評価値者が低価格入札者となったときは、低入札価格調査を実施の上、落札者としての決定を行うこと。
(5) 入札後資格確認型制限付き一般競争入札(制限付き入札実施要綱に規定する入札後資格確認型制限付き一般競争入札をいう。以下同じ。)において低価格入札者となった者については、低入札価格調査を実施の上、制限付き入札実施要綱に規定する入札参加資格の確認(以下「入札参加資格確認」という。)を実施すること。
(6) 前2号に規定する以外の入札において最低価格入札者が低価格入札者となったときは、落札者の決定を保留とし、低入札価格調査を実施の上、後日、落札者を決定すること及び入札者に対しその決定の通知を行うこと。
(7) 低入札価格調査の結果によっては、最低価格入札者であっても必ずしも落札者とならない場合があること。
(令2告示28・一部改正)
(入札の執行等)
第7条 入札の執行者(以下「入札執行者」という。)は、失格基準価格を下回る価格をもって入札した者を失格とする。
2 入札執行者は、総合評価競争入札又は入札後資格確認型制限付き一般競争入札によらない入札執行の結果、最低価格入札者が低価格入札者となったときは、前条第6号に規定する旨を告げて、当該入札を終了するものとする。この場合において、後日の落札者決定のため必要があると認めるときは、くじによりその順位を確定させた上で、当該入札を終了するものとする。
(令2告示28・一部改正)
(低入札価格調査の実施等)
第8条 低入札価格調査に関する調査事項(以下「調査事項」という。)は、次に掲げるとおりとし、工事発注課が当該調査を行うものとする。この場合において、被調査者は、調査事項に関する書類(以下「調査関係書類」という。)の提出に際し、自らの低入札価格の内容を立証するために必要と認める書類を提出することができる。
(1) 当該価格で入札した理由
(2) 入札価格の積算内訳書及び積算書比較等の詳細な検討状況
(3) 労務者の供給に関する事項
(4) 手持事業等の状況
(5) 契約対象事業箇所等と入札者の事務所、倉庫等との関連状況
(6) 資材(機器)、設備等の調達に関する事項
(7) 手持資材、機械及び設備に関する事項
(8) 建設副産物に関する事項
(9) 過去に施工した同種の公共事業名、発注者及び成績状況並びに履行状況
(11) その他の必要な事項
2 工事発注課は、調査事項関係書類の受領後、被調査者から事情聴取等を行い、低入札価格調査確認表第及び低入札価格調査結果調書を作成の上、総務課に提出するものとする。
3 前項の事情聴取等は、当該契約の内容に適合した履行がされないおそれの有無を確認するために実施するものとし、必要に応じ複数回実施することができるものとする。
(令2告示28・一部改正)
(書類の提出等)
第9条 被調査者は、開札日から起算して3日以内(岩沼市の休日を定める条例(平成元年条例第36号)に規定する休日は除く。)に、調査関係書類を市長に提出しなければならない。ただし、市長が提出期日を別に指定したときは、当該期日までに提出しなければならない。
4 総務課及び工事発注課は、低入札価格調査の実施に当たり、前3項の規定について被調査者に説明等を行うものとする。
(令2告示28・一部改正)
(落札者の決定等)
第10条 市長は、第7条第4項の規定により調査委員会において判定した被調査者による適切な契約履行の可否についての決定を行うものとする。
(1) 総合評価実施要綱第3条第1項第2号の規定により落札者を決定しようとするときに改めて学識経験者の意見を聴く必要があるとの意見が述べられている被調査者 当該学識経験者からの意見聴取
(2) 入札後資格確認型制限付き一般競争入札における被調査者 入札参加資格確認の実施
(3) 前2号に規定する以外の入札における被調査者 落札者としての決定
3 市長は、第1項の規定により被調査者の入札価格によっては、当該契約に適合した履行がなされないおそれがあると認めたときは、当該被調査者を失格とする。
(令2告示28・一部改正)
(失格判定基準)
第11条 市長は、次の各号に掲げるいずれかの場合に該当し、契約の内容に適合した履行が確保できないと認めた低価格入札者又は契約内容に適合した履行がされないおそれがあると認めた低価格入札者を失格とするものとする。
(1) 第9条第2項に該当する場合
(2) 設計仕様等に適合しない場合
ア 市が示した設計図書及び仕様書等に計上した設計数量、工法、施工条件等を満たしていない場合
イ 材料、製品等について、市が示した設計仕様に適合した品質、規格を満たしていない場合
(3) 積算内訳書の算出根拠が適正でない場合
ア 算定根拠が明確でない場合
イ 金額が一括して計上されている場合
ウ 下請見積額を下回る積算額が計上されている場合
エ 下請見積書等の工事内容(規模、工法、数量等)が不明確な場合
オ 資材(機器)設備等の購入に係る見積額を下回る積算額が計上されている場合
カ 監理技術者等の人件費、保険料、工事登録費用等の必要な経費が計上されていない場合
キ 下請予定業者の見積金額が過去に取引した実績のある価格を基礎として見積もられておらず、積算内訳書記載価格が不当に低額に設定されたことが明白である場合
(4) 建設副産物の処理が適正でない場合
ア 建設副産物について適正な処理費用が計上されていない場合
イ 建設副産物の搬出予定地や処理体制等が設計仕様書等に合致していない場合
(5) 法令違反や契約上の基本事項違反等であると認められる場合
ア 監理技術者等が重複専任になる場合
イ その他の法令違反
(6) 前各号に掲げるもののほか、適正な工事の履行がなされないと認められる場合
ア 入札日から過去1年以内において、賃金不払等で送検(労働基準監督署から検察庁への書類送検)を受けている場合(不起訴となった場合を除く。)
イ 入札日から過去1年以内において下請代金の未払等で建設工事紛争審査会から支払を命じる仲裁判断が出された場合
ウ その他適正な工事の履行がなされないと認められる場合
(落札者の通知)
第12条 市長は、第10条第2項第3号の規定により落札者の決定を行ったときは、当該入札の参加者に対し、岩沼市契約事務規則(平成31年規則第17号。以下「規則」という。)第28条の規定の例により当該決定に関する必要な事項を通知するものとする。
(令2告示28・一部改正)
(契約時の取扱い)
第13条 低入札価格調査を実施した事業について、契約保証金として徴する金額は、契約金額の100分の30以上に相当する額とし、規則第50条に規定する前金払できる金額は、契約金額の100分の20以内の額とする。
(契約後の取扱い)
第14条 工事発注課は、低入札価格調査を実施した事業の執行に当たっては、国が定める施工体制台帳等活用マニュアルに基づく施工体制台帳の確認、ヒアリング等のほか、中間検査を実施するとともに、技術者の現場専任制の徹底、一括下請負に関する点検の強化等を特に重点的に実施するなど、対象事業の監督体制等の強化に努めるものとする。
2 規則第60条第1項に規定する監督職員は、当該事業に係る監督業務において段階確認、施工の検査等を実施するに当たっては、立会いを原則とし、あらかじめ提出させた施工体制台帳及び施工計画書等の記載内容に沿った施工が実施されているか確認を行うとともに、実際の施工が記載内容と異なるときは、その理由等について確認の上、適切な指導を行うものとする。
(令2告示28・一部改正)
(情報の公開等)
第15条 市長は、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律(平成12年法律第127号)第8条及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律施行令(平成13年政令第34号)第7条の規定により、低入札価格調査制度に係る情報について閲覧の方法をもって公表するものとする。
2 市長は、最低価格入札者を落札者とせず、その次順位者を落札者としたときの経緯及び理由については、概要書で公表するものとする。
(虚偽説明等への対応)
第16条 市長は、工事発注課から第9条第2項に規定する報告があったとき、又は落札者の決定後に当該落札者が虚偽の調査関係書類等を提出し、若しくは虚偽の説明を行ったことが明らかになったときは、建設工事入札参加業者指名停止要領に基づく指名停止等の措置を講ずるものとする。
(委任)
第17条 この要綱に定めるもののほか、低入札価格調査の実施に関し必要な事項は、市長が別に定める。
附則
(施行期日)
1 この要綱は、平成31年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 第3条第1項の規定にかかわらず、当分の間、低入札価格調査の対象事業は、岩沼市契約業者指名委員会又は岩沼市入札参加資格制限審査委員会で審議の上、市長が決定するものとする。
(岩沼市制限付き一般競争入札実施要綱の一部改正)
3 岩沼市制限付き一般競争入札実施要綱(平成28年岩沼市告示第46号)の一部を次のように改正する。
〔次のよう〕略
附則(令和2年告示第28号)
この告示は、令和2年4月1日から施行する。