介護保険料の算定に用いる金額について
更新日:2024年1月22日
介護保険料算定所得の根拠
介護保険料は、介護保険法施行令第39条により「合計所得金額」を用いて段階が区分されます。
合計所得金額とは、同施行令第22条の2第1項において「地方税法第292条第1項第13号に規定する合計所得金額をいう」とされています。
合計所得金額とは
合計所得金額とは、総所得金額(年金・給与・不動産・配当等の各収入金額から必要経費に相当する金額を控除した金額)に、申告分離課税の所得金額、山林所得金額及び退職所得金額を加算した金額をいいます。扶養控除や社会保険料控除などの所得控除を差し引く前の金額です。
ただし、「合計所得金額」は、次の適用を受けている場合には、その適用前の金額をいいます。
- 純損失や雑損失の繰越控除
- 居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除
- 特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除
- 上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除
- 特定投資株式に係る譲渡損失の繰越控除
- 先物取引の差金等決済に係る損失の繰越控除
※平成30年度から、介護保険法施行令の改正により土地や建物などに係る譲渡所得は特別控除後の金額が適用されます。
株式等譲渡所得・退職所得等について
介護保険料の算定に含まれる場合・含まれない場合があります。
特定口座(源泉徴収選択)において株の取引きをしている方へ
株式等譲渡所得及び上場株式等の配当所得等については、特定口座において源泉徴収を選択している場合、確定申告が不要となります。こうして確定申告をせずに課税関係を終了させた場合、譲渡所得や配当所得等は保険料算定に含まれません。
しかし、所得税や市県民税の減額・還付のために確定申告をされた場合、その所得額は保険料算定時に合算されるため保険料が増額する場合があります。結果、税金の減額・還付額よりも介護保険料の増額分が上回る可能性もありますので、確定申告の際には十分御注意ください。
退職金を年金形式で受け取る方へ
退職金を一時金として受け取る場合は、会社が所得税・市県民税を退職金から差引き納税することで課税関係が完了します。そのため申告の必要がなくなり、保険料算定にも影響はありません。
ただし、退職金を年金という形で受け取る場合には、公的年金等に該当し雑所得に含まれるため、後の保険料算定の際に加算されることがあります。
介護保険料算定所得(合計所得金額)と国民健康保険税・後期高齢者医療保険料算定所得の違い
介護保険料算定に用いられる「合計所得金額」と、国民健康保険税や後期高齢者医療保険料の算定に用いられる「年間所得額」(※)の違いは次のとおりです。
※市区町村によっては「旧ただし書所得」「基準総所得金額」「課税総所得金額」「所得割賦課標準額」等と表記されていることがあります。
計算項目 | 合計所得金額 (介護保険料算定所得) 平成30年度分から適用 |
国民健康保険税・ 後期高齢者医療保険料 算定所得 |
|
---|---|---|---|
総所得金額 | 営業等所得 | 〇 | 〇 |
農業所得 | 〇 | 〇 | |
不動産所得 | 〇 | 〇 | |
利子所得 | 〇 | 〇 | |
配当所得 | 〇 | 〇 | |
給与所得 | 〇 | 〇 | |
雑所得 | 〇 | 〇 | |
一時所得×2分の1 | 〇 | 〇 | |
総合課税の短期譲渡所得 | 〇 | 〇 | |
総合課税の長期譲渡所得×2分の1 | 〇 | 〇 | |
分離課税の短期譲渡所得 (※5年以下の土地、住宅を売却した場合) |
〇 (特別控除後) |
〇 (特別控除後) |
|
分離課税の長期譲渡所得 (※5年を超える土地、住宅を売却した場合) |
〇 (特別控除後) |
〇 (特別控除後) |
|
分離課税の上場株式等に係る配当所得 (上場株式の譲渡損失との損益通算後の金額) |
〇 | 〇 | |
分離課税の株式等に係る譲渡所得 | 〇 | 〇 | |
分離課税の先物取引に係る雑所得等 | 〇 | 〇 | |
山林所得 | 〇 | 〇 | |
退職所得 | 〇 | × | |
基礎控除 | × | 〇 (43万円) |
|
純損失の繰越控除 | × | 〇 | |
雑損失の繰越控除 | × | × |
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