○岩沼市工事監督規程
令和2年3月31日
訓令第2号
岩沼市請負工事監督規程(昭和56年訓令第6号)の全部を改正する。
(趣旨)
第1条 この規程は、岩沼市契約事務規則(平成31年規則第17号)第59条から第61条までの規定に基づき、市が発注する請負工事(以下「工事」という。)の適正かつ円滑な実施を図るため、別に定めがあるもののほか、監督職員の職務権限等に関し必要な事項を定めるものとする。
(監督職員の設置及び職務)
第2条 工事を執行する課(岩沼市行政組織規則(平成10年規則第14号)第2条に規定する課をいう。)に次の表の左欄に掲げる監督職員を置き、それぞれ同表の右欄に掲げる職務に従事させるものとする。
監督職員の区分 | 職務内容 |
総括監督員 | 上司の命を受け、工事の監督事務を掌理し、主任監督員及び監督員を指揮監督する。 |
主任監督員 | 上司の命を受け、工事の監督事務に関し監督員を指揮監督する。 |
監督員 | 上司の命を受け、工事の監督に従事する。 |
2 市長は、職員に前項に掲げる職務を行わせるものとする。ただし、特に専門的な知識又は技能を必要とすることその他の理由により職員のみによって監督を行うことが困難であり、又は適当でないと認められるときは、職員以外の者に当該監督事務を補助させることができる。
(監督職員の権限)
第3条 監督職員は、次に掲げる権限を有する。
(1) 工事の執行についての受注者(以下「受注者」という。)又は受注者の現場代理人に対する指示、承諾又は協議
(2) 工事請負契約書、設計書、図面、仕様書その他工事の関係書類(以下「設計図書」という。)に基づく工事の施行のための詳細図等の作成及び交付又は受注者が作成した詳細図等の承諾
(3) 設計図書に基づく工程の管理、立会い、工事の施工状況の検査又は工事材料の試験若しくは検査(確認を含む。)
(4) 設計図書の軽微な変更に係る指示又は協議
(5) 受注者の施工する工事及び市の発注に係る第三者の施工する他の工事が施工上密接に関連する場合であって、市長が必要と認めた場合における相互調整
(6) 設計変更又は工事の中止若しくは契約解除の必要があると認めた場合における市長に対する報告及び受注者に対する指示又は協議
(7) その他監督職員の執行上市長が特に必要と認めたもの
(職務執行の基本原則)
第4条 監督職員は、監督事務を行うに当たっては、次に掲げる事項に留意しなければならない。
(1) 工事に関する法令等の規定を遵守し、及び上司の指揮監督に忠実に従うこと。
(2) 厳正かつ公平に監督を行い、受注者と協力して地元関係者との間において紛争が生じないよう配慮すること。
(3) 設計図書に基づき、工事が完全に施工されるよう常に現場状況を把握しておくこと。
(4) 工事現場に臨み、受注者に対して設計意図の正確な伝達及び懇切明解な指導を行うとともに、工事が完全に施工されるよう適切な指示を与えることにより、その徹底を図ること。
(工事着手前の説明)
第5条 監督職員は、受注者に対し工事の着手前に、工事が所期の目的に従って適切に施行されるよう必要な指示をしなければならない。
(工事の促進)
第6条 監督職員は、常に工事の進行状況に留意し、遅延するおそれがあると認めるときは、受注者と協議するとともに、その旨を市長に報告しなければならない。
2 監督職員は、天災その他やむを得ない理由によって工事の進捗が妨げられたときは、速やかに、市長に報告しなければならない。
(細部設計図、原寸図等の承諾)
第7条 監督職員は、必要があると認めるときは、設計図書に定められた事項の範囲内において細部設計図、原寸図等を検査して承諾を与えなければならない。
(改造請求及び破壊検査)
第8条 監督職員は、工事の施行が設計図書に適合しないと認めるときは、受注者に対し、改造を行うことを求めるとともに、市長に報告しなければならない。
2 監督職員は、工事の施工部分が設計図書に適合しないと認められる相当の理由がある場合において、必要があると認められるときは、市長に当該相当の理由を報告し、工事の施工部分を最小限度破壊して検査することができるものとする。
(施行及び材料調合等の立会い)
第9条 監督職員は、設計図書において立会いを要するものと指定した工事の施行及び工事材料の調合については、立ち会わなければならない。ただし、監督職員の判断により、見本検査、写真撮影その他適宜の方法を指示した場合は、受注者からの成果により確認するものとする。
(材料の検査)
第10条 監督職員は、工事に使用する材料のうち設計図書で指定した材料については、受注者の請求により、使用前にその品質、形状寸法、数量等を実地又は試験資料等によって検査し、及び確認しなければならない。
(設計図書と工事現場の状態との不一致)
第11条 監督職員は、次に掲げる事項を発見したとき、又は受注者から通知を受けたときは、必要に応じて受注者に指示を与えなければならない。
(1) 図面、仕様書、現場説明書、現場説明等に対する質問回答書が一致しないとき。
(2) 設計図書に誤り又は脱漏があるとき。
(3) 設計図書の表示が明確でないとき。
(4) 工事現場の形状、地質、湧水等の状態、施工上の制約等設計図書に示された自然的又は人為的な施工条件と実際の工事現場が一致しないとき。
(5) 設計図書で示されていない施工条件について予期することのできない特別な状態が生じたとき。
(工事の変更及び中止)
第12条 監督職員は、工事内容を変更する必要があると認めるときは、速やかに理由を付して市長に報告し、その指示を受けて、工事内容の変更を受注者に指示しなければならない。ただし、軽微な変更にあっては、速やかに工事内容の変更を受注者に指示し、工期の末日又は会計年度の末日のいずれか早い日までに市長に報告することをもって足りるものとする。
2 監督職員は、工事を一時中止する必要があると認めるときは、速やかに理由を付して市長に報告しなければならない。
(緊急措置)
第13条 監督職員は、災害防止その他工事の施工上緊急に受注者に対して臨機の措置を講じさせる必要があるときは、応急の措置を講じさせ、その結果を市長に報告しなければならない。
2 監督職員は、受注者から臨機の措置に関し意見を求められたときは、市長に報告し、その指示を受けて受注者にその指示を与え、又は急迫の事情があるため受注者が独自で講じた措置について受注者から通知を受けたときは、意見を付して市長にその結果を報告しなければならない。
(下請負)
第14条 監督職員は、受注者が設計図書においてあらかじめ指定した部分を他の者に委任し、若しくは請け負わせたこと又は市長の承認を受けないで下請負人に工事を着手させていたことを知ったときは、その旨を市長に報告しなければならない。
2 監督職員は、受注者から一部委任又は一部下請負の承認の申請があったときは、直ちに内容を審査し、意見を付して市長に報告しなければならない。
3 監督職員は、前項の承認に係る下請負人が工事の着手後において当該工事の施工について明らかに施工能力がないと認められるときは、その理由を付して市長に報告しなければならない。
(工事関係者に関する措置請求)
第15条 監督職員は、現場代理人、主任技術者、監理技術者その他工事現場に従事している者が工事の施工又は管理について著しく不適当と認めるときは、市長に報告しなければならない。
(工期延長等)
第16条 監督職員は、受注者から工期延長願又は工事着手延期願の提出を受けたときは、直ちに内容を調査し、意見を付して市長に提出しなければならない。
(工事の未着手等)
第17条 監督職員は、受注者が正当な理由なく工事に着手しないときその他契約の履行が確保されないおそれがあると認めるときは、速やかに市長に報告し、その指示を受けなければならない。
(解体材及び発生品)
第18条 監督職員は、工事の施工に伴い解体材又は発生品が生じたときは、受注者から調書とともに引継ぎを受けて、所定の手続に従い措置しなければならない。
(工事目的物の損害等)
第19条 監督職員は、工事目的物の引渡しを受ける前に工事目的物又は工事材料について損害があったときその他工事の施工に関して損害を生じたとき、又は工事の施工について第三者に損害を及ぼしたときは、直ちにその事実を調査するとともに、意見を付して市長に報告し、その指示を受けなければならない。
2 天災その他やむを得ない理由によって工事の既済部分(工事現場に搬入した検査済の工事材料、工事仮設物及び建設機械器具を含む。)に損害を生じたときは、実情を詳細に調査するとともに、意見を付して市長に報告し、その指示を受けなければならない。
(既済部分の調査)
第20条 監督職員は、契約解除による既済部分の引取りの必要があるときは、その工事の引取りの対象となるべき部分の出来高を調査の上、精算設計書を作成し、市長に提出しなければならない。
2 契約に特別の定めがある場合のほか、部分払又は引取りの対象となる部分は、当該工事の出来高並びに調査の時期に工事現場にある検査済の材料及び加工材料(変質のおそれのあるものを除く。)とする。
(工事の完成時等の措置)
第21条 監督職員は、受注者から工事の完成届の提出があったとき、又は部分払のための出来高等の確認の請求があったときは、設計図書又は出来高調書に基づき現場を確認の上、必要に応じて出来高内訳書に必要事項を記載して市長に提出しなければならない。
2 監督職員は、完成検査、中間検査及び出来高検査に当たり、受注者に対し検査に必要な準備をさせるものとし、検査に立ち会わなければならない。ただし、やむを得ない理由により立会いができないときは、工事内容について承知している者を代理とすることができるものとする。
3 監督職員は、別に定める成績評定の対象となる工事において完成検査を行ったときは、当該完成検査の日から14日以内に当該成績評定を行うものとする。
4 監督職員は、工事の主体部分等で特に重要な工事の出来高を確認するため、中間検査の必要があると認めたときは、必要事項を記載して市長に提出しなければならない。
(書類の取扱い)
第22条 監督職員は、設計図書等を受領したときは、必要に応じて市長に報告しなければならない。
2 監督職員は、受注者から提出された書類及び自己が作成した報告書等を整理しておかなければならない。
(市長に対する報告)
第23条 監督職員は、この規程に定めるところにより行うこととされている報告等については、所定の様式(様式が定められていないものについては、任意の様式。次項において同じ。)により速やかに行わなければならない。
2 前項の規定にかかわらず、監督職員は、緊急の場合は、口頭により報告等を行うことができるものとする。この場合において、当該監督職員は、できるだけ速やかに所定の様式により報告等を行うものとする。
(備付けの書類及び帳簿)
第24条 監督職員は、次に掲げる書類及び帳簿を整備しておかなければならない。
(1) 工事設計書、図面、仕様書その他施工条件を明示している書類
(2) 工事工程表、履行報告書その他工事の進捗を確認できる書類
(3) 材料確認書その他工事の材料を確認できる書類
2 前項第1号に掲げる書類は、契約締結まで極秘の取扱いとし、関係職員以外の者に閲覧させてはならない。
(貸与品及び支給材料)
第25条 監督職員は、貸与品又は支給材料がある場合は、受注者の立会いを求め、検査して引き渡し、その都度借用書又は受領書を微し、常に貸与品又は支給材料の状況を明らかにしておかなければならない。
(保安帽等)
第26条 監督職員は、工事の現場で監督の業務に従事するときは、保安帽及び労働安全上支障とならない服装を着用しなければならない。
(火災保険等)
第27条 監督職員は、設計図書に定める工事目的物及び工事材料(支給材料を含む。)等が火災保険、建設工事保険その他の保険(これらに準ずるものを含む。)に付されていることを確認しなければならない。
(委任)
第28条 この規程に定めるもののほか、監督職員の職務権限等について必要な事項は、市長が別に定める。
附則
この訓令は、令和2年4月1日から施行する。