○岩沼市男女共同参画推進条例

平成24年3月7日

条例第1号

目次

前文

第1章 総則(第1条・第2条)

第2章 基本理念(第3条)

第3章 市、市民、事業者及び教育関係者の責務(第4条―第7条)

第4章 男女共同参画を推進するための基本的施策(第8条―第17条)

第5章 男女共同参画を阻害する行為の制限(第18条・第19条)

第6章 男女共同参画審議会の設置(第20条―第23条)

第7章 雑則(第24条)

附則

岩沼市では、男女共同参画社会の実現に向けて、市民の参画により様々な取組が進められてきた。しかしながら、依然として性別による固定的役割分担意識や、これに基づく社会慣行が存在し、真の男女共同参画社会実現のためには、市、市民、事業者及び教育関係者が一体となり、総合的に取り組むことが求められている。

また、我が国では急速な少子高齢化、雇用不安、虐待、ドメスティック・バイオレンス(以下「DV」という。)、多様な性のあり方等、様々な問題が顕在化し、男女共同参画社会の形成は重要な政策課題になっている。

男女が互いにその人権を尊重し、共に責任を分かち合い、性別に関わりなく、その個性と能力を発揮することができる男女共同参画社会の実現に向けて、「誰もが輝けるまち、いわぬま」を目指し、この条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、男女共同参画社会基本法(平成11年法律第78号)の「男女の人権の尊重及び平等の理念」に基づき、男女共同参画の推進に関し、基本理念を定めるとともに、市、市民、事業者及び教育関係者の責務並びに基本的施策を明らかにすることにより、男女共同参画社会の実現を目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 男女共同参画 男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うことをいう。

(2) 市民 市内に居住する者、市内へ通勤又は通学する者及び市内で活動する者をいう。

(3) 事業者 市内において事業活動を行う個人及び法人その他の団体をいう。

(4) 教育関係者 学校教育、社会教育その他あらゆる教育現場に関わる者をいう。

(5) DV 配偶者、恋人等の身近な者から受ける身体的、性的、精神的、経済的な暴力をいう。

(6) セクシュアル・ハラスメント 相手の意に反する性的及び性差別言動により、相手方に不快感若しくは不利益を与え、又は就業その他の生活環境を害することをいう。

(7) ワーク・ライフ・バランス 「仕事と生活の調和」の意味で、働きながら家庭生活も充実させられるように職場や社会環境を整えることをいう。

(8) 積極的改善措置(ポジティブアクション) 第1号に規定する機会に係る男女間の格差を改善するために必要な範囲内において、男女のいずれかの一方に対し、当該機会を積極的に提供することをいう。

第2章 基本理念

(基本理念)

第3条 男女共同参画は、次に掲げる事項を基本理念として推進されなければならない。

(1) 男女の人権の尊重 男女の個人としての尊厳が重んじられ、直接的にも間接的にも性別による差別的取扱いを受けることなく、個人としての能力を発揮する機会が確保されること及び多様な性を持つ人の人権についても配慮すること。

(2) 暴力の根絶 男女が互いに人権を尊重し、DV、セクシュアル・ハラスメント等の男女間のあらゆる暴力的行為の根絶が図られるように努めること。

(3) 社会における制度又は慣行の見直し 性別による固定的な役割分担意識から生まれる社会における制度又は慣行の見直しに努め、男女が多様な生き方を選択することができるように配慮すること。

(4) 政策等の立案及び決定への共同参画 男女が社会の対等な構成員として、政策及び方針の立案並びに決定の場に共同して参画する機会が確保できるように配慮すること。

(5) 家庭生活、学校、職場等の活動の両立 家族を構成する男女が相互の協力と社会の支援のもとに、子育て、家族の介護その他の家庭生活、学校、職場、地域等の活動を両立させることができるようワーク・ライフ・バランスに配慮すること。

(6) 国際的協調 男女共同参画社会の形成の促進が国際社会における取組と密接な関係を有していることから、国際社会の動向に留意するとともに、地域在住外国籍の市民の人権保障及び男女共同参画の実現に配慮すること。

(令5条例5・一部改正)

第3章 市、市民、事業者及び教育関係者の責務

(市の責務)

第4条 市は、基本理念にのっとり、男女共同参画の推進に関する施策を総合的に策定し、及び実施しなければならない。

2 市は、男女共同参画の推進に関する施策の実施に当たっては、市民、事業者、教育関係者、国・県及び他の地方公共団体と協働し、連携を図りながら取り組むものとする。

3 市は、男女共同参画を実施するための必要な体制の整備に努めるとともに、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。

(市民の責務)

第5条 市民は、基本理念にのっとり、家庭、学校、職場、地域その他社会のあらゆる分野において、積極的に男女共同参画の推進に努めなければならない。

(事業者の責務)

第6条 事業者は、基本理念にのっとり、事業活動を行うに当たっては、積極的に男女共同参画の推進に努めなければならない。

2 事業者は、男女が職場及び家庭生活における活動を両立させるための職場環境の整備に努めなければならない。

3 事業者は、事業活動における男女共同参画の取組状況に関し、市長から報告を求められたときは、協力するよう努めなければならない。

(教育関係者の責務)

第7条 教育関係者は、基本理念にのっとり、教育を行うに当たっては、積極的に男女共同参画の推進に努めなければならない。

2 教育関係者は、性別に関わりなく能力、個性を生かせる教育及びその啓発並びに男女平等の教育の推進に努めなければならない。

3 教育関係者は、教育における男女共同参画の取組状況に関し、市長から報告を求められたときは、協力するよう努めなければならない。

第4章 男女共同参画を推進するための基本的施策

(基本計画の策定)

第8条 市長は、男女共同参画に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための基本的な計画(以下「基本計画」という。)を策定するものとする。

2 市長は、基本計画を策定し、又は変更しようとするときは、あらかじめ市民の意見が反映できるよう適切な措置を講ずるとともに、第20条に規定する男女共同参画審議会の意見を聴かなければならない。

3 市長は、基本計画を策定し、又は変更したときは、速やかにこれを公表するものとする。

(施策の策定等に当たっての配慮)

第9条 市は、男女共同参画の推進に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、若しくは変更し、又は実施するに当たっては、男女共同参画の推進に配慮するものとする。

(市民等の理解を深めるための措置)

第10条 市は、基本理念に関する理解を深めるため、市民、事業者及び教育関係者に情報の提供、広報啓発活動その他適切な措置を講ずるよう努めるものとする。

(教育の分野における措置)

第11条 市は、学校教育、社会教育、家庭教育その他のあらゆる教育の分野において、男女平等意識の醸成、個性及び能力の育成等の男女共同参画の推進のために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

(農林業、商工業等の分野における措置)

第12条 市は、農林業、商工業等の分野において、男女が、個人として能力を十分に発揮し、正当に評価され、対等な構成員として経営活動をし、地域における活動に参画する機会が確保されるための必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

(活動への支援)

第13条 市は、市民、事業者及び教育関係者が行う男女共同参画の推進に関する自主的な活動を支援するため、情報の提供、助言、人材の育成その他必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

(積極的改善措置(ポジティブアクション))

第14条 市は、家庭、学校、職場、地域その他の社会のあらゆる分野における活動において、男女間に参画する機会の格差が生じているときは、市民、事業者、教育関係者等と協力し、積極的改善措置(ポジティブアクション)が講ぜられるよう努めるものとする。

2 市は、法令、条例等に基づく附属機関若しくはこれに準ずる機関における委員の委嘱又は任命に当たっては、積極的改善措置(ポジティブアクション)を講ずることにより、男女の均衡を図るよう努めるものとする。

(調査研究)

第15条 市は、男女共同参画の推進に関し、必要な情報の収集及び調査研究を行うものとする。

(報告書の作成及び公表)

第16条 市長は、毎年、男女共同参画の推進に関する施策の実施状況について報告書を作成し、これを公表するものとする。

(苦情及び相談)

第17条 市は、男女共同参画の推進に関する市民及び事業者からの苦情及び相談について適切な処理に努めるものとする。

(令5条例5・一部改正)

第5章 男女共同参画を阻害する行為の制限

(性別による権利侵害の禁止)

第18条 何人も、家庭、学校、職場、地域その他の社会のあらゆる分野において、性別による差別的取扱いをしてはならない。

2 何人も、DV、セクシュアル・ハラスメント等性別による権利侵害をしてはならない。

3 何人も、多様な性を持つ人に対しての人権侵害をしてはならない。

(令5条例5・一部改正)

(公衆に表示する情報への配慮)

第19条 何人も、公衆に表示する情報において、性別による固定的な役割分担、性的な暴力等を助長し、若しくは連想させる表現又は人権を侵害する性的な表現を行わないよう努めなければならない。

第6章 男女共同参画審議会

(男女共同参画審議会の設置)

第20条 市長の諮問に応じ、基本計画及び男女共同参画の推進に関する重要事項について調査審議するため、岩沼市男女共同参画審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は、男女共同参画の推進に関する事項について必要に応じ調査し、市長に意見を述べることができる。

(審議会の組織)

第21条 審議会は、10人以内の委員で組織する。この場合において、男女いずれか一方の委員の数は、委員の総数の10分の4未満にならないように努めるものとする。

2 委員は、次に掲げる者のうちから市長が委嘱する。

(1) 男女共同参画に関しての識見を有する者

(2) 公募に応じた者

(3) 関係機関を代表する者

3 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

4 委員は、再任することができる。

(会長及び副会長)

第22条 審議会に会長及び副会長を置き、それぞれ委員の互選により定める。

2 会長は、会務を総理し、審議会を代表する。

3 副会長は、会長を補佐し、会長に事故あるとき、又は会長が欠けたときは、その職務を代理する。

(会議)

第23条 審議会の会議は、会長が招集し、その議長となる。

2 審議会は、委員の過半数が出席しなければ会議を開くことができない。

3 審議会の議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

第7章 雑則

(委任)

第24条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行する。

(非常勤の特別職の報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)

2 非常勤の特別職の報酬及び費用弁償に関する条例(昭和33年条例第5号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(令和5年条例第5号)

この条例は、公布の日から施行する。

岩沼市男女共同参画推進条例

平成24年3月7日 条例第1号

(令和5年2月28日施行)

体系情報
第3編 執行機関/第1章 市長部局/第4節
沿革情報
平成24年3月7日 条例第1号
令和5年2月28日 条例第5号